バンブーガール
こんなところで昨日の話でもされたらかなわないと思った私は、「あー。そういえば」なんて訳のわからない言葉を口にしながら上原くんへ歩みより、「上原くんに頼もうと思ってたんだ」と大きな声で続けて上原くんを近場で陰になる給湯室に引っ張り混んだ。
とたんに上原くんが壁にどん、と手をついた。
私の背中は壁にピッタリ密着、逃げ場なし。
あれあれ、これっていわゆる壁ドン?
ちょっと見上げる上原くんの顔は、整っていた。
こんな間近で見るまで気が付かなかったのは、部長のことだけ見てたからかしら。
などなど0,1秒くらいの間に考えていたところ、こっちのそんな感情にお構いなしに、彼は顔を少し近付けてこう言った。
「やらせろ」
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