殺人と笑顔と温もりと






誰もいない住宅街に行った

繁華街よりも静かだった

やっぱり静かな空間が良い





「…………」




目の前から歩いてくる

白髪のおばあさん

何も持たないで

フラフラしている





「どうしたのですか?」




声をかけると

おばあさんはあろうことか

僕に抱きついてきた





「ケンジさん!
待っていたんですよずっと」




僕はケンジじゃない

そもそもおばあさんを知らない




「おばあちゃーん!」



おばあさんが歩いてきた方から

セーラー服姿の少女が走って来た







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