殺人と笑顔と温もりと
少しだけあったものを持って
家を出る
元々静かな住宅街だ
防犯カメラなんてないし
通りすがる人もいない
お孫さんの話を聞きながら
あちこち見渡し
防犯カメラを探した甲斐があった
僕は宛てもなく歩きながら
さっきの家からもらってきた
お金を見る
昨日殺した
オッサンよりお金がある
おまけに
通帳まで見つけた
かなりの額がある
ご丁寧に
暗証番号が書かれた紙付きだ
当分生活費には困らなそうだ
…生活費に、は
次はいつ
僕は人を殺すのだろうか