殺人と笑顔と温もりと
僕は素直に言い
彼女の家にお邪魔することとなった
彼女の家は
木造アパートの2階の1番奥だった
入ってすぐ左が台所で
右がお風呂場やトイレなどの扉
真っ直ぐが居間
居間の隣に扉がある
必要最低限の間取りだった
僕は彼女に言われるまま
居間に置いてあるちゃぶ台の近くに座った
彼女はすぐにあったかいお茶を淹れてくれた
「良ければ泊まっていってください
何もない部屋ですけど」
彼女もお茶を飲みながら
嬉しそうにはにかんだ
だけど僕は笑うことなど出来なかった
何を言い出すんだこの子は
信じられないことばかり言うな
僕はどうすれば良いんだ
泊まることなんてしたら
次の日彼女は死んでいるに決まっている
見ず知らずの僕へお茶を淹れてくれたんだ
そんな彼女を殺すなど出来ない
殺人衝動が生まれる前に
僕は彼女の家や
この街から出て行かなくては