殺人と笑顔と温もりと








目の前で黙ってお茶を飲む

黒髪に眼鏡をかけた彼を見ながら

あたしは自分のした行為に驚いていた




一体あたしは

何をしているのだろうか?

自分で自分が信じられない




家に集まる野次馬を見て

あたしは自宅へ帰った

引っ越してきた当時から

備え付けだった冷蔵庫に

野菜やお肉をいれていると

ふと外へ行きたくなった




だけど遠出はしたくなかったから

扉を閉めて手摺りにもたれて

ぼんやり景色を眺めていた




暫(しばら)くぼんやりしていると

雪が降って来た

そんな強くないからそのままでいたら

雪はどんどん強くなっていった

さすがに寒くなって

家に帰ろうとして





彼の姿を見つけた







< 36 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop