殺人と笑顔と温もりと






思わず

「大丈夫ですか!?」

と駆け寄って肩に触れていた




さっきまで赤かった顔が

今は真っ青になっていた

呼吸も浅いのを繰り返している

あたしの触れる肩も

床につく手も震えていた




彼は何も答えずに

浅い呼吸を繰り返したまま

何か手探りで探しているようだった





「何を探しているんですか!?」




もしかして薬?

彼は病気なの?

一気に哀しみから不安へと変わる





彼は苦しげにあたしを見た

そして

一言

ポツリと




呟いた







「誰か…
憎い人は

近くにいますか」






< 47 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop