殺人と笑顔と温もりと
思わず
「大丈夫ですか!?」
と駆け寄って肩に触れていた
さっきまで赤かった顔が
今は真っ青になっていた
呼吸も浅いのを繰り返している
あたしの触れる肩も
床につく手も震えていた
彼は何も答えずに
浅い呼吸を繰り返したまま
何か手探りで探しているようだった
「何を探しているんですか!?」
もしかして薬?
彼は病気なの?
一気に哀しみから不安へと変わる
彼は苦しげにあたしを見た
そして
一言
ポツリと
呟いた
「誰か…
憎い人は
近くにいますか」