殺人と笑顔と温もりと







信じられなかった

普通なら叫んで逃げ出すはず

何故彼女はそこまで

僕に優しくしてくれる?





今だってそうだ

こうして血まみれになった僕を

お風呂へいれてくれる





僕はお湯を顔にかけた

腕や手首に走る

幼い頃血が見たくて

何度も切った切り傷





お風呂場にある鏡に映る

僕の首

何度も自殺しようと

ロープで首を絞めた跡が残っている





僕の体は

自分で傷つけた傷だらけだ




そういえば彼女は

これらの傷を見たはずだ




だけど気持ち悪いなど言わなかったし

どうして傷だらけなのか理由も聞いてこなかった








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