殺人と笑顔と温もりと







ギシッと軋む音のする

古びたベッド

彼の手のひらが

あたしを優しく押し倒す



彼の真っ黒な瞳は

本当に宝石のように輝いている

部屋の電気を消し

月明かりだけでも

その輝きは変わらなかった





そっと

リップ音をたてて

彼はあたしへキスをする

優しくしてもらっているなと

感じられる優しいキス

口元が緩むのが抑えきれない





彼の顔が近づいたところで

あたしは自分から頬にキスをする

躊躇(ためら)いなんてなかった

あたしは彼に出会って数時間

完全に彼を信じ切っていた





なんてキモチイイの

天国ってきっとこんな感じ

幸せってきっとこんな感じ




あたしは

幸せだな………









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