殺人と笑顔と温もりと
気が付けば
あたしは泣いていた
数時間前
彼がそうしてくれたように
彼はまたあたしの涙を拭った
あたしの涙を拭う彼も
何故か泣いていた
綺麗に輝く宝石が
涙で美しく煌めいていた
「何で…
あなたが泣いているの…」
尋ねてみると
彼は首を振って
あたしの手を握る力を強めた
「…あたしね
ずっとずっと…
独りぼっちだったんだよ…
だけどね…
今隣にあなたがいる
それだけで
あたしは幸せなの
こうして抱きしめてもらったり
手を握ってくれることが
どうしようもなく嬉しいの
ずっと傍にいてほしい
あたしから離れないでほしい…」