殺人と笑顔と温もりと
自分を母だと名乗る人は言った
『産まなきゃ良かった』
自分を父だと名乗る人は言った
『死んでくれないか?』
友人だと思っていた人は言った
『アンタは最低だよッ!』
彼氏だと思っていた人は言った
『お前と付き合うんじゃなかった』
仕方ないって思ってた
ずっと
あたしはパパとママの子じゃない
パパを捨てた別のママの子だって
パパは実のママに似ているあたしを嫌った
自分のせいなのに
ママはあたしを愛するわけなかった
別のママとの子なんて愛せるわけないから
全部知っていた
だけど何も言わなかった
友人や彼氏の悪口をあたしが言ったと広めたのは
転入してきたあの子だと
美人なあの子は自分が気に入った友人や彼氏を
地味なあたしから奪った
友人も彼氏もアッサリ手のひらを返した