殺人と笑顔と温もりと
久しぶりに
大量に涙を流したからか
眠くなって来た
僕はゆっくり
彼女の手を握りながら
瞼をとじた
彼女の温もりに触れることで
僕の中で眠る殺人衝動が
治まる気がしたから……
…いつからだろうか
僕が殺人衝動の存在に気がついたのは
……ああ
きっとあの時だ
中学校の修学旅行から帰る日
その頃はごく普通の男子中学生だった僕は
朝ご飯を食べながら友達と話していた
同じ班の彼女とも一緒に話した
皆から冷やかされることが多かったけど
それが恥ずかしくも嬉しかった
突然先生に名前を呼ばれた
深刻そうな顔を先生はしていた
僕は班長だったから
旅行関連のことだと思っていた