殺人と笑顔と温もりと
僕の家に放火した理由は
くだらなかった
『幸せそうな
あの家庭が羨ましかったんです』
男性は泣きながら
そう警察に供述したそうだ
僕が幼い頃から
一緒に遊んでくれた
優しい男性
独身だと言っていて
僕を本当の息子のように可愛がってくれた
生まれたばかりの妹を抱っこしたこともあった
可愛いと口元が緩んでいた
両親とも仲が良くて
両親が旅行に出掛けるときは
僕を男性の自宅へ預けて行くほど
男性は信頼されていた
それなのに
“おじちゃん”は
僕の家庭を簡単に壊した