殺人と笑顔と温もりと







両親や

言葉の喋り始めて間もない妹の元へ行きたくて

僕は何度も自分を殺そうと試みた




だけど叶わなかった

“おじちゃん”は警察の目を盗んで

自殺したのに

僕はどうしても死ねなかった




ロープを買って首を吊ろうとすれば

上手く輪が出来なかったり

家にプリントを届けに来た友人に止められ




海へ入って入水自殺をしようと思えば

1週間台風が襲ったり

僕の様子を見に来た先生に止められ




灯油を撒いて火を点けようとしたら

台風の影響で火は燃え上がらなかったり

同じく様子を見に来た彼女に警察へ通報された



“おじちゃん”が点けた火は

簡単に点いたというのに

どうして僕はこんなにも運が悪いんだ





自分が死ぬことばかり考えていた

自分を傷つけることだけ考えた






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