殺人と笑顔と温もりと
だけど
数々の殺人を犯し
彼女の目の前でも殺人を犯した僕だ
好きになってはいけない
愛してもいけない
信じてもいけない
…そう信じてきた僕だ
僕が常に考えるのは僕だけ
誰を殺そうか
どうやったら捕まらないか
そればかり考えていた
人を愛する資格なんて
僕には存在しないんだ―――
僕はゆっくり重たい上体を起こし
ベッドから降りようとした
「……待って
行かないで……」
彼女に腕を引っ張られ
僕の動きは止まった