殺人と笑顔と温もりと
あたしは泣きながら必死に訴えた
彼もつられてか
涙を流していた
「あなたの抱えるもの
あなたの抱えること
全部あたしが受け止めるから
あなたの傍を離れたくない」
止められない
ダムの水みたいに溢れる気持ちを
「あなたの正体が何だって良いの
あなたの心の闇が深くたって良いの
お願い
傍に居させて
傍に居られないなんて
そっちの方が
辛くてたまらない」
もしこの手を離して
彼が行ってしまったら
きっとあたしは
生きて行けない
両親に家を追いだされ
独り暮らしを始めたこの家で
あたしは彼なしで
孤独に耐えきれる自信がない
ううん
この世界でも
辛くて
苦しくて
哀しくて
寂しくて
生きて行けない