殺人と笑顔と温もりと







彼は何も言わないで

真っ直ぐあたしを見つめてきた





「…て」

「え?」




あたしの呟きが聞こえなかったのか

聞き返す彼

あたしは見つめ返した





「あなたが
あたしを連れて行けないと
言うのなら

お願い

あたしをこの場で殺して」





彼が息を飲む音が聞こえた





「あなたがいなくちゃ生きて行けない
確信出来るわ

あなたがいない世界は
あたしにとって寂しさに溢れる世界

今まで独りぼっちだったから
孤独には慣れているつもりだった

だけど
今は違うわ

あなたがいないと
今まで耐えきれていた孤独に
耐えきれない

あなたの温もりや笑顔
優しい眼差しにキスに

あたしはもう囚われたの

あなたなしで
あたしは生きて行けないわ」








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