殺人と笑顔と温もりと
ギュッと
力強く
あたしを痛いほど
抱きしめてくれる彼
「言っただろ?
俺はあなたを愛しているって
俺は普通じゃないんだよ
今にもあなたを殺してしまいそうで
俺は殺したくない
あなたを
俺の手で真っ赤に染めたくない
俺だって哀しいよ
ずっとずっとあなたと一緒にいたい
だけど俺には叶えられないんだ
一緒にいたいという夢さえ
俺には無理なんだ
俺は人を殺さないと生きていけないんだ」
何があったのか知らないけど
どうして彼だったんだろう
どうして彼が
哀しい運命を辿らないといけないのだろうか
「わかってくれ…
俺はあなたが好きだ
だからこそ別れるんだ
俺は可笑しい
あなたを殺したいと思ってしまう
こんなにも愛しているあなたを
俺は何度も死のうとした
だけど誰かが俺を殺さない
生きていたって良いことない
俺はもう
光の中で生きて行けないのだから
あなたの傍で
俺は生きて行けないんです……」