殺人と笑顔と温もりと
手に持った
小型のナイフを手で弄ぶ彼女
…俺の彼女ながら
怖いなと苦笑した
「ねぇ
次は誰を殺すのよ?」
「そうだね…
俺のいつもの発作が来た時
考えようかな」
「大丈夫なの?
毎回苦しそうで
正直見ていられないわ…」
不安そうな眼差しを向ける彼女
本当に
俺には勿体ない彼女だな…
「大丈夫だよ
誰かを殺せば治るんだから」
「わかったわ」
微笑んだ彼女へ笑いかけてから
俺は先ほどのスーツ姿の2人組を見る
通りすがったオバサンに
何か話しかけている
「……逃げよう」