美しく咲き誇り
「別に良かったのに…」
「もぉー!
舞?
今日は特別な日なんだよ?」
楽しまなきゃと百合香はまたパフェを頬張った。
…百合香曰く特別な日らしい。
特別って言ってもただの修学旅行だ。
私はよく、クールなんて言われるけど、そうではない。
ただ何事にも興味を持たないだけなのに。
「あーぁ、練習したぃ…」
ボソっと言ったつもりなのに聞こえていたらしく、百合香は少し眉を潜めた。
「舞…」
そして、悲しそうに私の名前を呼ぶ。
その理由はわかってる。
「そんな顔しないでよ、仕方が無いことだよ」
練習出来なくなってしまったのは、誰の所為でもない。
不運だっただけのこと。
いや、幸いだった。
生きているだけ良かった方だ。