まだ本当の恋を知らない

180センチはあるであろう、モデル体型の男性。

ダークブラウンの髪は無造作に見えるが計算しつくされた毛先の遊び具合。

切れ長の涼しげな眼差し。

筋の通った鼻。

いい男と言う表現以外は見つからない。


「アキちゃんの噂通り、イケメンね。」

頭のなかの、恋愛不足のホントの私が心の中で呟いていた。

そして作られた自分は、とにかく関わるのだけは控えようと思っていた。

それは意地か恋を知るのが怖いのか、今の私にはまだ分からなかった。