願いが叶うなら...
「あの、い組のバッチを取りにきました。」

「………………あっ、い組のバッチですね?ちょっと待ってね。……はい。名前、教えてもらえる?」

バッチを渡していたのは、茶色い髪を腰まで伸ばしている綺麗な女の教師。

名乗ると、一瞬驚いたが、直ぐにニコリと笑った。

「貴女が牡丹ちゃんなのね。ここだけの秘密、牡丹ちゃんは黒髪よりも頭の良さで注目を浴びてるのよ?」

頭の良さ?
なんで?

「入学試験あったでしょ?あれ、かなり難題で、それなのに満点だったのよ、牡丹ちゃん。……っと、もう他の子もくるわね。救急室、そこが私の持ち場よ。いつでもいらっしゃい。」

とりあえず、

「ありがとうございます。」

この教師は、あたしを特別扱いしているのか、ただの同情なのかわからないが、あたしの中で少なくとも、他の教師よりは好感度が上がった。

「バッチを受け取った生徒は、外で待機している上級生に教室に案内してもらえ。」

そんな声が聞こえたので、外に出てみる。
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