暴走族が最強女子に出会ったら







「で、そこの黒髪くん。さっき族がなんとかって、あれなに?」


「それは………と、その前に自己紹介をします」



げ、自己紹介。


遠慮なく顔を歪める私に提案した黒髪くんは怪訝な表情を浮かべながらも口を開いた。



「俺は一応総長の角倉 将(つのくら しょう)」



続けて茶髪



「俺は副総長の矢代 波瑠(やしろ はる)」



最後に赤っぽい黒髪



「で、最後に俺田口 淳也(たぐち じゅんや)」



………うん、自信ないけど多分覚えた。


頭の中で皆の名前を反芻しながら口元にコーヒーカップを運ぶ


一口飲むとぬるくなっていたがまだコーヒーの良い香りは残っていた。


うん、美味しい。


満足して顔をあげた私に食い入るような視線


私を見つめる皆になによ、と口を開けば



「「「名前」」」



すっかり忘れてた。





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