暴走族が最強女子に出会ったら
ソッと美月に縋るような目を向ければ美月はため息をつきながらも私の名前も言ってくれた。
「じゃあそっちが横田さんでこっちが村田さんですね」
美月、私の順番に視線を向け呼んだ田口くんは無駄に堅っ苦しい敬語
そういえば三人とも私たちに敬語だ。
「その敬語やめてよ、名前も呼び捨てでいいし」
「いやでも今から頼みごとをする身でそんなこと」
なに、この人達真面目すぎ。
非常識だもんなー、なんて言い合いながら頷く三人のイメージはこの短時間で随分と変わった。
ほんと人は見かけによらないって本当ね。
この人達が言う頼みごと、興味が湧いてきたわ。
「ねぇ、頼みごとってなに?」
ピタリとさっきまで喋りあっていた三人が揃って口を閉じた。
代わりに口を開いたのは一応総長の角倉くん
「俺らを強くして欲しいんです」