暴走族が最強女子に出会ったら







バランスを崩した私を支えるためかさり気なく腰に添えられた腕。


あと一ミリでも動けば接触してしまいそうな位置にある胸板。


こ、これは、私の心臓的にあまり良くない状況だ!



「村田?」


「だ、大丈夫、ありがとう!」


「お、おう?」



しばらくフリーズしてしまったのを誤魔化すことはできただろうか。


不審な表情を浮かべながらも将はさっきと同じ距離に戻った。


そして二人の間に流れる沈黙。


それを断ち切ってくれたのは隣にいた美月だった。







「なに二人ともさっきからあたしガン無視で甘い空気流しちゃってんのよ!あたしの居心地の悪さも少しは考えろっての!」



――流してる訳ないでしょ、そんなもん!




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