冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
パーティが始まる前に、少し遅れると連絡があった進藤はまだ来ていない。
パーティは時間通りに始まった。
新郎新婦が入場し、先ほど挙げて来た式の報告の後、来賓へと挨拶に回り始めた。
砕けた立食パーティだから、それぞれ歓談している中に、新郎新婦が挨拶にやってくると言う感じだ。
もちろん私達にも近づいて来ている。
すぐそばのグループに挨拶をしている二人を見ながら、体が強ばって行くのがわかる。
笑顔にならない顔で笑ってるに違いない。
しばらくするとそのグループに「また」と言う声が聞こえ、成二と玲奈がこちらへと視線を移す。
周囲の目が気になる。
同期は同情の目?
企画部の女性からは好奇心の目?
一歩一歩、私達の方へ近づいて来る二人。
どうしても集まる周囲の視線に嫌な汗がにじむ。
新郎新婦が私達の前に止まったその時、周りが異常にざわめき始めた。