冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
もうすっかり夜の帳が下りていた窓の外を進藤が指さした。
店が暗くなった分、外の灯りが鮮明に見えてくる。
首都高に連なるテールランプがまるで星の川のように流れて行く。
車が一番多く走ってる時間。
首都高と平行して通っている一般道にもいくつものライトが流れていき、一本の筋を浮かび上がらせる。
「天の川みたい・・・」
そう呟いた私を満足そうに目を細め、じっと見つめている進藤。
「あ…これを見せてくれるためにここに?」
「それもあります。」
まだライトはダウンしたままの店内には私の好きなLOVE SONGが流れていた。
テーブルのキャンドルの炎が揺らめいている。
進藤がポケットから何かを出してテーブルへ置いた。
目を凝らしてみて見るとキャンドルの炎がひとつの箱を照らし出した。
「えっ?」
七夕でプレゼントを贈るなんて風習、どこかであったかな?
七夕ってお願いごとを書くんだよなぁ。
「開けてみて下さい。」
そう言う進藤の顔は、少し緊張しているように見えた。
私はそっとその箱を開けてみた。
「うそ・・・」