冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
七夕にプロポーズはシアワセになる


進藤からプロポーズを受けてから1週間。
いつものようにCADに向かって仕事をしていると今日子がニヤニヤしながらスマホを片手に
私のそばにやってきた。


「なに?」

差し出したスマホの画面を見ると一瞬にして固まる。




「なにこれ?」

そこには先日、進藤からプロポーズを受けたレストランで、まさにプロポーズを受けている瞬間の私と進藤の写真が。
角度で顔はわからないようになっているけど、見る人が見れば、あれは私たちだってすぐにわかる。


リングを差し出す進藤の手、それをはめた私の薬指、少し俯いた私の顔、進藤の優しい眼差し。




『七夕の夜に都会の天の川でプロポーズ』



レストランのホームページにはそんなタイトルで特集ページが組まれていた。


普段は敷居が高い豪華なあの店が若い年齢層をターゲットにしたいとプロデュースしていたのは教えて貰ったけど、まさかこんな風にネットで紹介されるとは…
進藤も慌てて私のところにやってきた。



「夏希さん」



「進藤、どういうこと?」

進藤の説明によると・・・
あのレストランで七夕にプロポーズすると幸せになれる。
というジンクスを作り上げたいという早瀬さんの意見でこうなったそうだ。



「進藤、始めから知ってたの?」



「隆之介さんにやられました。
俺にプロデュース代を払っても良いくらいだって。」

早瀬さんの仕業ということにしているけど、進藤がまったく知らないのは変だ。




「進藤?」

私が顔をのぞき込むと、ニヤっと笑っていた。
もしかしたら、この人はかなりの策士なのかもしれない。
この時は戸惑いもあったけれど・・・








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