冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
進藤に抱かれた後、少しずつ冷静になって来た途端、妙に照れてしまう。
その恥ずかしさを隠そうと、進藤に背を向けていると進藤が後ろから腕を回して来た。
「夏希さん、こっち向いて。」
と言われて素直に向けるくらいなら、始めから背中なんて向けてない。
「夏希さん?」
「恥ずかしい。」
少しぶっきら棒に言い放つと、進藤の腕に力が入り、くるっと私の体を自分の方へ回転させる。
クスっと余裕で笑う進藤が憎たらしいくらい。
だから視線をそらしたままでいた。
でも進藤が私をじっとみつめていることがわかりすぎるくらいわかって緊張してしまう。
そんな私の気持ちを察しているかのように、進藤がそっと私のおでこに口付けて来た。
「へっ?」
咄嗟のことに妙な声を発してしまうと同時に進藤と目が合う。
少し目線を上にしないと目が合わない位置にいる進藤をふて腐れたように睨む。
「どうしてそんなに余裕があるの?」
照れを隠すように素朴な疑問をぶつけてみた。
「余裕なんてありませんよ。」
と言う進藤の言葉は耳元のすぐそばから聞こえる。
その言葉と同時に、耳たぶを甘噛みした。
「ん・・・っ!」
「やっぱり、ここが弱いんですね。」
と言いながら音を立て執拗に攻め立てる。
「もう…ダメだから…」
そんな私の言葉などまったく意味が無い。
だってダメなんて言いながら、進藤のなすがままに感じてしまっているから。
それを進藤はちゃんとわかってる。
憎たらしいくらい私を翻弄していく。
年下のくせに…進藤のくせに。