冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
エレベーターの扉が開き、私が最初に下ろされ、進藤と立ち止まる。
後から降りて来た早瀬さんに挨拶をして、立ち去ろうとした時、早瀬さんは進藤に声をかけた。


「亮介、来られる時間に来ればいいぞ。
夏希さん、それではまた。」

と、早瀬さんは惚れ惚れする低音ボイスでひと言。
『早瀬デザイン事務所』とプレートがある扉の中へと消えて行った。


「夏希さん、今度ゆっくりお食事でも。
ふつつかな弟ですけど…亮介をヨロシクね。」

そう言うと、響さんは進藤に「後でね!」と言って同じく早瀬が入って行った扉を開けて中へ入って行った。


『早瀬デザイン事務所』

これが進藤が休日に手伝っている会社?



「お騒がせしました。
本当はもっと違う形で姉貴たちに紹介したかったんですけど…
姉貴たち夫婦が最上階に住んでるんですよ。
1階が事務所になっていて、もう、とっくに出勤してると思ったのに、 まさか逢うとは思わなかったので油断してました。」

とまた進藤の違う一面を見た。


その夜、ネットで『早瀬デザイン事務所』を調べてみた。
制作実績を見てみると、誰でも知っているようなレストランや店舗などのプロデュースを手がけた事が書いてある。


そして早瀬隆之介と言う人物がこの業界では、かなり実力があり、有名なことがわかって、ただただ驚いていた。




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