冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
「玲奈が嘘をついたとしても、心当たりがあるから、玲奈の言葉を鵜呑みにしたんでしょ?」
私が冷静に吐いた言葉に成二の目が泳ぐ。
「違うんだ、あれは・・・」
私は言葉に詰まった成二を見据えたままでいる。
「酔った勢いで。もう、その時から玲奈の策略にハマってたんだよ。
それに・・・夏希だって。」
急に私の名前を呼ばれてビクッとした。
「私だって?
私は浮気なんてしてないよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・
夏希はいつもどこか大人びていて、余裕で、俺だけが熱を上げてるように思ってた。
俺だけ余裕がなくて。」
私は黙って聞いている。
「俺、夏希に愛されているのかっていつも不安だったんだよ。
言葉なんて何とでも言える。
言葉じゃなくて、なにかこう安心したかったのかもしれない。」
「で、玲奈は安心できたって訳?」
「その点は・・・
でも、あいつじゃないんだ。」
私はふ〜っとため息を漏らした。
私の中で静かに終わりかけている成二との恋。
少しずつ心の整理をつけて、ゆっくりとフェードアウトするはずだったのに、これで完全に終わった。
こういうのって、面倒だな。