冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!

僕は途方に暮れたまま、何度も夏希さんのスマホにコールをしていみる。
出ない・・・


いったい平岡さんはどうしちゃったんだ。
平岡さんのスマホにもかけているのにコールが続くばかりだ。
僕は自分の車に飛び乗ったが、どこに行けばいいかなんてまったく検討がつかない。
どうしたらいいんだよ。


しつこいくらい夏希さんのスマホと平岡さんのスマホを交互にコールしてみる。


相変わらず、夏希さんの携帯は電源が切れているままだった。
心配と嫉妬と要り混ざった感情が、コントロールできなそうだ。
僕はいつの間にか、夏希さんのマンションへと車を走らせてる。
コールし続けていると平岡さんの電話から、声が聞こえて来た。


「もしもし・・・」

さっきの威圧した声は無くなっていた。
弱々しくも聞こえる。



「平岡さん!今どこですか?」

もう一度、同じ質問をしてみる。



「埠頭。東京湾の」

今、自分が車で走ってる場所から時間計算をしてみる。
道路が空いていれば、20分とかからない。



「夏希さんは?」



「わからない。」


「えっ?どういうことですか?」

夏希さんの行方がわからないってこと?
とにかく平岡さんが言う埠頭まで車を飛ばした。
近くまで来ると平岡さんにもう一度電話をかけた。


「今、近くにいます。どこにいますか?」


すると対向車線に停まってる車の一台がパッシングした。
僕は車から降りて、その車に駆け寄った。
運転席から降りて来た平岡さんは真っ青な顔をしていた。
僕は車の中を覗いたが、助手席にも後部座席にも夏希さんはいない。


「平岡さん!どういうことですか?」






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