冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
「ところで・・・」
とマスターが一枚のはがきを差し出した。
「君たちも行くの?」
見覚えのあるハガキ。
成二と玲奈の結婚披露パーティの招待状だ。
しばらく前に出席に丸をして、すでに返事は出してある。
「マスターもお呼ばれしたんだ。」
と今日子が言うと
「残念ながら店を空けられないからね、僕は欠席。」
「そっか、残念。
私達は参加しますよ。
新郎も新婦も同期だしね、進藤は前の部署の2人だし。」
「夏希ちゃん、大丈夫なのかい?」
マスターはそれを心配して話題にしたんだろう。
「大丈夫です。私達がいるから。」
私より先に今日子が答えていた。
本当は欠席しようかと迷った。
けれど成二との噂が立ち誤解されたままパーティを欠席したら、噂を認めたと思われる、堂々としていれば良いというのが、今日子と大木さん、そして望美さんの言い分。
みんなに説得され出席ということになっているけど、当日までやっぱり躊躇してしまう。
私が黙ったまま太股に置いていた手をぎゅっと握っていると、その手を上から軽く包んでくれた進藤。
まるで「僕がいるから安心して」と言われているようだった。
私は進藤に視線を向けて「うん」と小さく頷いた。
進藤がいて本当に良かった。