ふたつ手と手
パンの焼ける匂いと、コーヒーの香りで目が覚める。

抱き締めて眠ったハズの君は隣に居ない。眠い目をこすりながら、

リビングへのドアを開ける。

「おはよー♪淳大♪ごめん、起こした?」

笑顔の君が目の前まで来て頭を撫でてくれる。

「おはよー咲樹。」

重ねる唇で、やっと目が覚めてくる。

「昨日、先に寝てごめん…」

テーブルにマグカップを置きながら、申し訳なさそうに言う君。

「ん?全然大丈夫やで?てか、ちゃんと一回名前呼んでくれたし、くっついてきてくれたし♪」

はにかんだ君が俺好みのコーヒーを一緒に飲む。

「あ、花火大会一緒に行けそうやで!ちょっと離れたとこからしか見れやんけど…浴衣着て行こう♪」

「わ!ほんまに!?ヤッタァ!!楽しみ〜♪」

君が作ってくれる朝ごはんを一緒に食べる。君が洗ってくれたシャツに着替えて、君が片付けくれたテーブルで仕事に目を通す。君が掃除してくれる部屋。君と眠るベット。

当たり前のように君は毎日、俺に優しさと安らぎをくれる。
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