extra time love
北川 達哉は都内の広告制作会社に勤めてた。
社員数は10人程度の小さな制作会社だ。
そこで達哉はデザイナーとして、Web関連のエンジニアとして、時には営業として働いていた。
言うなれば何でも屋だ。
広告代理店の下請け仕事がほとんどで、広告代理店の担当者の何気ない一言でデザインが、システム仕様が変更になり、今まで作り上げたものが無となる。なんてことは日常茶飯事。納期間際には徹夜も辞さない。
しかし、そんな境遇にも仕事は達哉は不平も言わず、クールに業務をこなしていくのだった。
『自分で選んだ道』
いつも自分に言い聞かせていた。
2010年の12月のある日の夜、残業している達哉の元に、同僚の営業マン黒田から達哉に外線の電話がかかってきた。
「もしもし。北川ですけど。」
「あぁ、北川さん!次の土曜日って空いてます?」
「土曜日は休日出勤ですよ。原宿スポーツさんの案件、納期が迫ってるんでね。」
「休日までお仕事とは感心だねぇ!」
「原宿スポーツさん、黒田さんが担当営業じゃないですか!」
黒田は達哉の1歳下である。しかし、中途入社の達哉より、社歴は3年ほど先輩である。
そんな関係もあって、年下に敬語を使っている。
「ところで、何か用ですか?今、忙しいんですけど。」
「そうそう、次の土曜日、クライアント主催のクリスマスパーティーがあるんだけど、北川さんも来るよね?」
黒田も年上である達哉には"さん"付けで呼んでいる。
「だ・か・ら・土曜日は仕事ですって。」
「そこを何とかしてよ。先方にはイケメンが来るって伝えちゃったんだよ。。。
我が社の業績のためにもさ。
原宿スポーツさんの納期、調整するから。」
達哉はオイオイ、納期調整できるのかよ。
こっちは決められた納期でスケジュール立ててるんだぞ!
と、内心思いながらも現場目線で言えば納期が延びるのは大賛成である。
「分かりました。参加しますよ。」
「オッケー!じゃぁ参加ってことで。詳細はまたメールするよ。」
「原宿スポーツさんの納期の件、よろしくお願いしますよ!」
達哉の催促に応じることなく電話は切れた。
「ふぅ。まったく。こっちはクリスマス気分になんかなれないのに。」
と、コーヒーを片手につぶやき、手帳に"12/18(土) 黒田 クリスマスパーティー"と書き込むのだった。
社員数は10人程度の小さな制作会社だ。
そこで達哉はデザイナーとして、Web関連のエンジニアとして、時には営業として働いていた。
言うなれば何でも屋だ。
広告代理店の下請け仕事がほとんどで、広告代理店の担当者の何気ない一言でデザインが、システム仕様が変更になり、今まで作り上げたものが無となる。なんてことは日常茶飯事。納期間際には徹夜も辞さない。
しかし、そんな境遇にも仕事は達哉は不平も言わず、クールに業務をこなしていくのだった。
『自分で選んだ道』
いつも自分に言い聞かせていた。
2010年の12月のある日の夜、残業している達哉の元に、同僚の営業マン黒田から達哉に外線の電話がかかってきた。
「もしもし。北川ですけど。」
「あぁ、北川さん!次の土曜日って空いてます?」
「土曜日は休日出勤ですよ。原宿スポーツさんの案件、納期が迫ってるんでね。」
「休日までお仕事とは感心だねぇ!」
「原宿スポーツさん、黒田さんが担当営業じゃないですか!」
黒田は達哉の1歳下である。しかし、中途入社の達哉より、社歴は3年ほど先輩である。
そんな関係もあって、年下に敬語を使っている。
「ところで、何か用ですか?今、忙しいんですけど。」
「そうそう、次の土曜日、クライアント主催のクリスマスパーティーがあるんだけど、北川さんも来るよね?」
黒田も年上である達哉には"さん"付けで呼んでいる。
「だ・か・ら・土曜日は仕事ですって。」
「そこを何とかしてよ。先方にはイケメンが来るって伝えちゃったんだよ。。。
我が社の業績のためにもさ。
原宿スポーツさんの納期、調整するから。」
達哉はオイオイ、納期調整できるのかよ。
こっちは決められた納期でスケジュール立ててるんだぞ!
と、内心思いながらも現場目線で言えば納期が延びるのは大賛成である。
「分かりました。参加しますよ。」
「オッケー!じゃぁ参加ってことで。詳細はまたメールするよ。」
「原宿スポーツさんの納期の件、よろしくお願いしますよ!」
達哉の催促に応じることなく電話は切れた。
「ふぅ。まったく。こっちはクリスマス気分になんかなれないのに。」
と、コーヒーを片手につぶやき、手帳に"12/18(土) 黒田 クリスマスパーティー"と書き込むのだった。