きっかけは誕生日
2
*****
「小柳さん。どこに行くの」
返却がバタバタ続いて、少し遅れて入ったお昼休み。
カフェを通りすぎようとしたら、金井さんが出てきた。
「…………」
……どうしてこの人は、今、このタイミングで出てきた。
「お昼休みでしょう? 食べていかないの?」
今日は、カフェでランチはしないと心に決めたのです。
そんな事を、カフェの店員さんに言うほど馬鹿じゃない。馬鹿じゃ無いけれど、さて……
金井さんは立ち止まって固まった私を眺め、それからニヤリと笑った。
「せっかくケーキ用意したから、食べていきなよ。チョコレート系は好きでしょう?」
チョコレートには目がないわ。
中学の頃には、ニキビが出来て困ったけれど、それも大人になるにつれて気を付けるようにしてから治った。
恐るべきは、ママのアロエの化粧水。
「まぁ。黙ってるなら連れ込もう」
「は……?」
言った瞬間に手を捕まれて、カランコロンとドアベルを鳴らしながら、カフェ店内に連れ込まれた。
「主役到着」
金井さんが言うと、カウンターからひょっこり顔を出したのは咲良ちゃん。
「え。あれ? 咲良ちゃん?」
「もう! 先輩って水くさい! 誕生日なら誕生日って言ってくださいよ!」
「や。この歳になってまで誕生日言いふらすのはどうかと思う」
「何を言っているんですか。ハッピーバースディですよ、めでたいに決まっているじゃないですか」
状況が飲み込めない。
どうして咲良ちゃんはここにいるんだろう?
しかも、どうしてカウンターの中にいるんだろう?
そして私は何故、金井さんに連れ込まれたのだろう?
「……暇そうね」
「うちは常連さんで持っているような店なんで。13時過ぎればこんなものだよ」
そうなんだ。いつもは遅くても12時半にお昼休みだから、あまり気にしていなかった。
空いていると静かになるから、読書がとてもはかどる……
では、無くて。
「どうして咲良ちゃんがカウンターにいるの?」
「久しぶりにランチ食べに来たら、俊兄が先輩の誕生日だからって言うから」
や。説明に全くなっていないけれど、そこは気づいている?
「小柳さん。どこに行くの」
返却がバタバタ続いて、少し遅れて入ったお昼休み。
カフェを通りすぎようとしたら、金井さんが出てきた。
「…………」
……どうしてこの人は、今、このタイミングで出てきた。
「お昼休みでしょう? 食べていかないの?」
今日は、カフェでランチはしないと心に決めたのです。
そんな事を、カフェの店員さんに言うほど馬鹿じゃない。馬鹿じゃ無いけれど、さて……
金井さんは立ち止まって固まった私を眺め、それからニヤリと笑った。
「せっかくケーキ用意したから、食べていきなよ。チョコレート系は好きでしょう?」
チョコレートには目がないわ。
中学の頃には、ニキビが出来て困ったけれど、それも大人になるにつれて気を付けるようにしてから治った。
恐るべきは、ママのアロエの化粧水。
「まぁ。黙ってるなら連れ込もう」
「は……?」
言った瞬間に手を捕まれて、カランコロンとドアベルを鳴らしながら、カフェ店内に連れ込まれた。
「主役到着」
金井さんが言うと、カウンターからひょっこり顔を出したのは咲良ちゃん。
「え。あれ? 咲良ちゃん?」
「もう! 先輩って水くさい! 誕生日なら誕生日って言ってくださいよ!」
「や。この歳になってまで誕生日言いふらすのはどうかと思う」
「何を言っているんですか。ハッピーバースディですよ、めでたいに決まっているじゃないですか」
状況が飲み込めない。
どうして咲良ちゃんはここにいるんだろう?
しかも、どうしてカウンターの中にいるんだろう?
そして私は何故、金井さんに連れ込まれたのだろう?
「……暇そうね」
「うちは常連さんで持っているような店なんで。13時過ぎればこんなものだよ」
そうなんだ。いつもは遅くても12時半にお昼休みだから、あまり気にしていなかった。
空いていると静かになるから、読書がとてもはかどる……
では、無くて。
「どうして咲良ちゃんがカウンターにいるの?」
「久しぶりにランチ食べに来たら、俊兄が先輩の誕生日だからって言うから」
や。説明に全くなっていないけれど、そこは気づいている?