幼なじみが私の彼氏になりました
「空ん家と出かけるの本当久しぶりだよね!」
「そうだよねー。おばさん達最近忙しくてね、」
「そうだったんですか」
「でもまたこうやって一緒に食事行けるんだもんね」
やっぱり空のお母さんは綺麗だって思った。
若いし、とっても憧れるな。
今日は私と空と私のお母さんと空のお母さんの4人。
空ん家の車で行ってます!
「この車空の匂いがするー」
「やめろ」
「いい匂いだよ?」
「知るか」
後部席に空と私。
助手席にお母さん。
「でもまさか果歩ちゃんがこんな空を好きになるなんてね」
「あはっ、」
私は笑ってごまかした。
空は不機嫌そうに足と手を組んで窓の外を見ていた。
「だけどこんなイケメンな空君からひろってもらうなんて」
「もう、お母さんってばー」
「空?」
「…なに」
「なに見てるの?」
窓の外になにかある?
「あ?なんもねーけど」
「ふーん?可愛い子でもいたんじゃない?」
って私が冗談で言ったら、
「可愛い子ねぇ」
と、なぜか不気味そうに言った。
でた、なにか企んでそうないつもの顔!
って事は
「いたんだ」
もう知らない!
お母さん達はお母さん達で話盛り上がっちゃってるし…。
「いねーよそんなもん」
「…嘘」
私が空の方に背中を向けていたら
「なに?やいてんの?」
って、こっちを見て私をからかうように言ってきた。
「ちがっ…」
「素直になれよ」
「ふんっ、もういいし」
って言ったら空は再び窓の外に目を向けた。
しばらくの沈黙。
気まずい…。
「なんでそんなに不機嫌なの…?」
「別に。母さんがうるせえ」
ふーん…。
すると空のお母さんが
「なに空?なんか言った?」
って、バックミラーを見て言った。
「なんも」
やっぱり空は不機嫌そうだった。