幼なじみが私の彼氏になりました
なんでよ。
「空のばかっ」
「空がどうしたの?」
「はっ、春馬くっ、」
「どうしたのそんな慌てて」
春馬君はいつも空と一緒にいる人。
「あ、ううん!なんでもっ」
「空の奴がなにかした?」
春馬君はそう言って私の隣に座る。
「あのね、さっき空が告白されてるところ見ちゃって…」
「あぁ。そう言う事」
春馬君は見た目すごくチャラそうに見える。
こうしてちゃんと話したのは初めてだった。
「私、聞いちゃったの」
「なにを?」
「うん…あのね、空…その告白されてた人の事好きだって言ってた」
自分で言って泣けてきた。
もう空は私の事好きじゃないのかな。
私には飽きちゃった?
だけど好きなんて言わないもんね。
結構あれから一回も言われてないし。
ずっと不安だった。
空は、ひとりで抱え込むななんて言ってたけど、
やっぱり無理だよ。
「嘘だろ?」
「分かんないよー」
私にも何がなんだか分かんなくて。
「いや。だけどそれはないな」
「え?」
「聞き間違えかなんかだろ。空はそんな奴じゃねぇ」
「…なんで、そう言いきれるの?」
「だってあいつ…「果歩!」」
「そ、空…」
そこにいたのは息が少し荒かった空だった。
「はぁ、ごめん待たせて」
「う、ううん」
私は涙を誤魔化す。
だって、絶対にこの人には見せたくないから。
「春馬がなんでここにいるんだよ。果歩泣かしたのお前?」
空の目の色が変わった。
「そう言ったら?」
と、平常心な春馬君はにこっと笑った。
「ふざけんな。俺の大切な奴いじめたら春馬でも許さねぇよ」
えっ、今なんて?
「ふっ、さすが空だねー」
「は?」
「その言葉が聞けてよかったよ」
そう言って春馬君は私の耳元で呟き、私達の前を立ち去った。