幼なじみが私の彼氏になりました
緑と遅くまで話しちゃった。
時間はもう9時。
でもお母さんもお父さんも明後日までいないし。
空は…。
いるのかな。
恐る恐る玄関のドアを開ける。
「ただいまー」
静かに言って、靴を脱ぎながら電気をつけた。
「遅かったな。何してたんだよ」
ら、
壁に寄りかかた空がいた。
びっくりした。
「別に。空には関係ないでしょ」
靴を揃えて自分の部屋に入ろうとした時
「待てって」
「ひゃっ!?」
な、
私は玄関で空に押し倒された。
なんで?
それに怒ってるし。
私のせいなの?
「どこ行ってたんだよこんな時間まで。俺待ってたんだけど」
「だから空には関係ないって言っ…」
「関係ないなら関わんねーよ」
「…別にどこでもいいでしょ」
「は。俺に言えねーのかよ」
「…そんなんじゃないよ」
「じゃあ言えるよな?」
空が私の腕を掴む。
「緑とカフェに行ってたの」
「なんで?」
「なんでって…話したい事があったから」
「話したい事って」
「…もういいでしょ」
なんでそんなに聞きたいの。
私の勝手じゃん。
「…もう遅くなんなよ」
「…」
空は私の腕から手を離す。
「心配なんだよ、果歩のことが」
「…」
なんで、そんなこと言うの…?
「俺の近くにいねーとなんかあった時守ってやれねーだろ」
「…空は、」
「…」
「ずるいよ…」
なんで私が嬉しくなるようなことばっかり言って私を嫌いにさせてくれないの?
いつもそうだよ。
「…ごめん」
「私昨日ね、」
「…」
私が言わなきゃ何も変わらないんだ。
「空が告白されてるところ見たの」
「…」
「空、あの子のこと好きなんだよね…」
「は?好きって何が?」
「私聞いたんだから。空があの子のこと好きって言ってたの」
「何言ってんだよ、そんなこと…」
「空は、私の事嫌いになっちゃった?飽きちゃったよね。私、素直じゃないし可愛くないし、空になんにもできないし。ごめんね。私なんかじゃなくて他の子の方が、空にとっては良かったんだよね…」
「…俺は、」
「ひっ、もう…聞きたくないよ…」
私は空を押しのけ自分の部屋に入った。
それ以上、空は私に何も言うことは無かった…。