幼なじみが私の彼氏になりました
ひとりだと帰る道のりも遠く感じてしまう。
だってやっと今いつも緑と別れる所なんだもん。
するとその時
「あの」
「…」
私に話しかけてきたのは…誰?
でも、制服を見る限り同じ学校みたい。
「俺、2年の佐々木って言うんだけどさ」
身長が高いのが印象的だった。
あの先輩よりは低いと思うけど、
空よりはすごく高い。
「…」
誰ですか?
「分からないならいいよ。それより俺あんたに話があって」
「…なんですか」
いかにも怪しい。
「あのさ、会って早々なんだけど…あんたのことが好きみたい」
「…はい?」
こ、これは…!!
まさかの告白ですかぁ!?
「だから、一目惚れ…」
…一目惚れ…
どっかで聞いたことあるような言葉…
「ええ!?」
もしかして、あれは先輩を使った予知夢ですか!?
「ん?どうかした?」
「あ、いえ…あの私…」
正直知らない人は困るな。
って言うか私は好きな人いるし!
断ろう。
うん、断ろう。
「ごめんなさい、私好きな人がいて…」
「空でしょ」
「え…?」
なんで、知ってるの?
「君が空と一緒に帰ってるところ何度か見た事あるし」
「そう、なんだ」
するとその人は私の両肩に両手を置いた。
「あ、あの」
「空なんか止めとけよ。アイツ好きな奴いるよ?」
え…。
そ、そうだよね…。
この年になって未だに好きな人がいないなんてありえないよね。
あんな空でも。
空に好きな人がいたなんて聞いたこともなかったよ…。
「ひっ、く…」
わ、私…泣いてるの…?
「大丈夫?」
そう言ってその人は私をゆっくりと抱き寄せた。
「や…離し…」
「俺にしたら?俺はアイツが大嫌いなんだよ。なんの想いもないのに関わって、こうやって俺の好きになった人を泣かせてなんにも気づかない」
「…くっ、」
抵抗する力も無くて。
ただされるがままになってしまった。
「果歩!!」
声がした方を向くとそこには緑と先輩がいた。
男の人は自然と私から離れる。
2人とも驚いたような顔を見せる。
特に緑は。
「さ、佐々木、何してるの!?」
あれ…この人の名前?
緑の知り合い?
「は?あんたこそ先輩とデートですか?」
「はっ、」
「あんたと一緒でこれは俺の自由なんで」
「果歩に何したの」
緑はその男の人に言う。
「なにも。じゃあ俺はこれで」
男の人は私をちらっと見て
「また来るよ」
と言ってどこかに行ってしまった。