幼なじみが私の彼氏になりました


あぁ。今は部活の時間か。





忘れ物でも取りに来たのかな?






「何話してたんだよ」






と、空は言う。






「え…」






「さっきの奴だよ」






「聞いてたの!?」






「聞いてない。たまたま通ったらアイツがいたから」







「あ、そうなんだ…」







「で?」






あ、はい。






でですね。





「なぜか分かんないけど花火大会誘われちゃった」






「花火大会…」






「うん、そうなんだよね。なんかさー男の子から誘われたの私、初めてなんだよね」






「あっそ。で、行くわけ」







「あ、うん。まだ返事してなくて…」






私は言う。






こういうの本当初めてだから分からないんだよね。






断り方とかさ。






「てか、からかわれてるだけだろ」






え?






「…空?」






急に空の顔色が変わる。






「アイツっていろんな女に手出すって有名だけど」






「そう…なんだ…」






やっぱり嘘だよね。






私のこと好きになる人なんていないよ。






空の言う通りかも知れない。






「お前みたいな女、相手にするかよ」






「…」






「いい加減気づけ。バカか」






「ごめ…」






「先輩行きましょう」






私の言葉を遮って先輩に話しかける空。






「あ、うん」






先輩も気まずそうに行ってしまった。

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