幼なじみが私の彼氏になりました
うん…。
待つもん。
話さなきゃこのままだもん。
私は誰もいない屋上で密かに涙を流した。
空のバカ…。
私は…
「大丈夫?」
だ、誰…。
私は涙を拭いて後ろを振り返った。
「もしかして空のこと…?」
そこにいたのは前、空と一緒にいたサッカー部の先輩だった。
なんで?
先輩はサッカーのユニフォームを着ていた。
もしかして今、部活中なんじゃ…。
「空の事でしょ」
と、言って先輩は静かに私の隣に座った。
「あの…」
「ん?」
「あ、いえ…」
「君と1回話してみたかったんだよね」
「え…」
「緑ちゃんから聞いてるよ。色々、君の事とか空の事とか」
そういえば前に緑が言ってた。
先輩に私の好きな人教えたって。
なら知ってるのか。
「空ね」
「…」
「最近らしくないプレーばっかしてくるんだよね」
「え…空が、ですか…?」
「うん。シュートなんか外しまくりだし、ボーってしてるしさ」
「そうですか…」
珍しいな。
「あ、話は変わるけどさ」
「はい」
「空が停学になった本当の理由、知ってる?」
理由…。
「…知りません」
「やっぱり空、言ってないんだ」
「え?」
「あ、ううん。教えてあげるよ」