幼なじみが私の彼氏になりました
「あの日は確か、俺と緑ちゃんが放課後遊んだの次の日だったんだけどね、空のやつがある男子に暴力を振るったんだ」
「え…嘘…」
暴力?
空、暴力なんか振らないよ?
なんで…?
「それは俺が、君が佐々木って男に絡まれてたって言ったら空、いきなり走ってどこかに行ってね、始めは君の所に行ったと思って安心してたんだけど、佐々木って男に暴力振るったって聞いてから俺も焦った」
意味分からないよ。
なんで佐々木君に暴力を振るう理由が…。
「それで佐々木が先生にチクったんじゃない?それから君に何も連絡しないで指導受けてたんだろうね」
「なんで、ですか…」
「え?」
「空が暴力なんて…そんな人じゃないです」
「俺も同じだよ」
「…」
「ただ、守りたかったんじゃないの?」
守りたかった?
それより、
「空と佐々木君って、知り合いなんですかね…」
「んー。それは俺にも分からないな」
「ですよね…」
「これ以上知りたいなら空に直接聞けばいいよ。俺はもう、何も知らないから」
「…はい。ありがとうございました」
「いや全然。あ、それからあの男、緑ちゃんと同じで生徒会なんだって」
そっか、だから緑はあの男の人の名前を知ってたんだ…。
「話てくれて、ありがとうございます」
「ううん。余計な迷惑だったかも知れないけど」
「いえ!聞けてよかったです!」
「そっか」
「あの、先輩は…」
「うん?」
私は思い切って言ってみた。
「緑の事好きですか?」
って。
すると先輩は照れながら、こう言った。
「いい子と思うよ」
と。