幼なじみが私の彼氏になりました
言えた…。
やっと、言えたんだ…。
「え…」
空の顔が変わった。
なんだか曇ったような気がした。
そんな表情は無かったかのようになって。
「でも、付き合ってとかそんなんじゃないの。ただ、小さい頃からの想いを、伝えたかっただけだから…」
「…そう」
「うん…空、覚えてる?小さい頃…海でした約束…」
「小さい頃…」
「うん。空がね、将来俺のお嫁さんになってって、言ってくれたんだよ」
「…知らねぇ」
「え?」
「そんな約束したっけ」
空はそう、はっきりと言った。
「そうだよね!覚えてるわけないかっ」
「…ごめん」
仕方ないか。
なんせ小さい頃の事だもんね。
「話はそれだけ?」
「う、うん」
「そう。じゃあ俺は帰るから」
「あ、うん。ばいばい!」
私は手を振った。