幼なじみが私の彼氏になりました
「えーっ!!ついに言ったのー!?」
「ちょっ、緑声こえ」
「あっ…しまった」
「それで?」
「え?終わりだけど」
と、私が言うと
「えー!!は、原田君は?」
と、緑は聞いてきた。
「何も言ってくれなかったんだよね」
「なんでっ!?」
「なんでって、なんでだろうね」
「返事聞かなかったの!?」
「聞かなかったって言うか、空は何も言わなかったし、私の事好きじゃないからさ、きっと振ったら私が可哀想と思って何も言えなかったんじゃない?」
「なんでっ!?意味分かんないよ!」
「でもひとつ分かるのは、私の事ただの幼なじみだって思ってることね。それに小さい頃の約束すら覚えてなかったわけだし」
「ちゃんと返事聞かないの?」
「もういいの!空とはずっと幼なじみのままが良かったんだよ」
「でもさ、」
「でも今日まだね、空と一度も話してなくて」
「そっかぁ」
「また避けられてるのかもだけど、私頑張って前みたいな関係に戻すよ!」
「果歩はそれでいいの?原田君を諦めるってことは原田君にもしも彼女ができた時、その事を受け入れないといけないって事だよ?」
「それは…そうだけど…」
「そんな、私なら諦めたくないよ。もしも先輩に彼女が出来たら、私…絶対泣いちゃう。でも、原田君も先輩も一生彼女が出来ないって事はありえないんだよ?」
「うん…」
空に彼女…。
やだな…。
私だって泣いちゃうよ。
「原田君なんか毎日告白されてるんじゃないの?」
「えっ、そうなの?」
空が?
「そうなのって…知らないの?学年1イケメンで彼女いないって女子は大騒ぎしてるよ?」
「え…知らなかった…」
「そんなんだから果歩はもう!」
「ごめんごめん」
「原田君の事が好きなら、大切にしなきゃ。いつ彼女が出来たって可笑しくないよ?」
「そうだけど、私何したらいいのか全く…」
「原田君が少しでも心開いてくれるように、原田君との時間を増やしなさい」
「でも空は部活とかで忙しいし」
「そんなの考えなくていいんだよ!そんなこといちいち考えてたらなんの時間も取れないよ?気づいた時には遅い事ってたくさんあるんだから」
「…うん、そうだよね」
緑の言う通りだ。
私は何に迷っていたのだろう。
答えはたったひとつしかないのに。
決まってるのに。
「緑、私…空のところ行ってくる!」
やっぱり話したい。
会いたい。
空が好き。