幼なじみが私の彼氏になりました
俺は、今までだってそんな人間だった。
果歩の事を好きだと言う男が出てきたら、嘘の悪口を言ったり、果歩の愚痴を言ったりしてきた。
本当はあいつ、モテるのに俺が告白しないようにした。
そんな俺は自分の気持ちを素直に伝えれるような奴じゃなくて、
伝えないままずっと時間だけが過ぎてきた。
小さい頃に海でした約束も
本当は知らないわけじゃない。
はっきりと覚えてるのに、好きな人からいざ言われたら恥ずかしくてイラッとした。
俺は短気で、素直になれない残念な奴。
今更…自分を変えることは出来ず、ただ時間がすぎるのを待つだけだった。
果歩に冷たく接して、酷い言葉しか言わなくて
最低だと思う。
今すぐにでも本当は謝りたいのに。
「あ、雨宮さんのお出ましだ」
「は?」
春馬は弁当を片付け
「先に教室戻っとくからな」
と言ってどっかに行った。
初め意味が分からなかったけど
「空…」
その声で意味が分かった。