幼なじみが私の彼氏になりました
確かに俺達サッカー部はマネージャーを必要としていなかった。
前に、俺と同じ2年の女がマネージャーに入ったけど、そいつは服装も髪色も駄目で、ヤンキー気取ってた奴だったし、あまり部活に来なかったから顧問が辞めさせた。
それにマネージャーに入った理由は俺が狙いだったとか。
前に一度、一緒に帰ろうと誘われた時があった。
俺は変な噂をたてられるのが嫌いだったから断った。
なのにその女はずっと俺についてきて、俺もどうしたらいいか分からなかった。
そんな嫌な思い出がある。
正直女は苦手。
ずっと絡んでくるしダルイ。
「空先輩がたまに一緒に帰ってる女の人って先輩の彼女ですか?」
突然聞かれてびっくりした。
「違うよ」
詳しく言えば俺の好きな人。
「そうだったんですか。てっきり空先輩の彼女かと」
「彼女じゃないけど、幼なじみ」
「そうですか。じゃあ仲いいんですね」
「まあな」
「空先輩、あの女の人と一緒にいるときはとても嬉しそうな顔してますよ」
「そんなことないよ」
「見てたら分かります」
「…」
俺は黙って掃除をした。
「私、空先輩の好きな人誰だか分かっちゃいました」
って、この女が意味の分からないことを言っていたのを覚えている。