幼なじみが私の彼氏になりました


「完全下校過ぎるから帰るぞ」






「うんっ!」






ボツボツと部活動生が帰って行く。






みんな、ちらちら私達を見る。






きっとみんなの心の中はこうだ。






なにあの釣り合わないカップル。






男はイケメンなのに女はブス。





世の中こんなカップルもいるんだなぁ。






って!!絶対思ってるわ。






言っときますが皆様!






決して私はこのイケメンな方と恋人ではな…





「いてっ!」






「バカか。どこ見てんだよ」






「…っ、うるさい!」






何もないところで足をくじくと言う残念なオチ。





「お前が悪い」






「もう!知ってるし」






「自覚してんじゃん」






「うるさいなあ」





ムカつく。





空の言い方もいいかただよ。






もっと心配してくれたらいいじゃんか。





って、私が素直じゃないからかな。





はあー





「ねー空」






「なんだよ、トイレか?」






「ふざけないで」





「じゃあなんだよ」






「空は今年、花火大会とか行くの?」






「もう夏の話かよ」






と、空は言う。






「女の子は毎年夏の花火大会が楽しみなのー!」






「なら女同士で言えよ」






俺には関係ないみたいな態度をとる空。






もー、少しは真面目に答えてくれたっていいじゃん!






「空はどうなの?」






「んな女子みたいなのありえねー」






「男子もいるしっ!」






「は、そこら辺の奴と一緒にすんな」





「なっ!」





いかにもオレ様みたいな。






でも、もうすぐ6月だし






今年は一緒に花火大会行きたいな…






なんて。






幼なじみだけど、2人では遊びも一度も行ったことないし





大学生になったら、きっとばらばらになるし。






花火大会に行けるのは、今年か来年の2回だもん。






別に花火大会に限ってはないけど、






好きな人と学生時代に1回は行きたいんだもん。






浴衣着てさー。





花火大会で見るカップルがいつも羨ましく思ってしまうんだ。






「だめ?」





「他の奴といけ」






それじゃあ…意味ないのにな…。






空と行きたいよ…。






「うん…そうするよ」






今年も緑と行くか。






「…あぁ、そうしろ」






今年は無理だったけど、切り替えて






来年こそは一緒に行けるように頑張るとするか…。

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