君の花嫁~大学生編~
玄関前まで来ると、従者と思われるスーツ姿の男性が待っていた私と伊織に恭しく一礼した。
その腰の折方や所作がなんとも綺麗だ。
「お初にお目にかかります。私、カイン・フィバルト・オーリングス様の従者をしておりますアルバルトと申します。よろしくお願いいたします」
落ち着いた、しかしハキハキとした声でアルバルトは挨拶をする。
多少の訛りはあるが、綺麗な日本語だ。
そそて、斜め後ろに立っていた淡いブラウンの髪の彼を振り替える。
「こちらが、この度お世話になりますカイン様でございます」
アルバルトに紹介されたカインはニッコリと微笑んだ。笑顔が可愛い。
「雨宮の若君とその奥方ですね。カインです。しばらくの間お世話になります。よろしく」
カインの日本語はとても綺麗だった。
アルバルトのように、言葉の端々に訛りは感じられない。
そうとう勉強したのだろうか?
カインの挨拶に、隣にいた伊織はビジネス用の笑顔で一歩前に出て握手をした。
「初めまして。雨宮伊織です。こっちは妻の真琴。私たちと同じ大学に行くそうですね。何か困ったことがあったら何でも相談してください」
「ありがとうございます」
カインは握手に応えて微笑みを返す。
そしてチラッとこちらに視線をよこした。
「よろしくお願いします」
「妻の真琴です。よろしくお願いいたします」
ハッとして慌てて挨拶をする。
このカイン王子につい見とれてしまった。
よくよく見ると、結構美形なのだ。身長も、背の高い伊織と同じくらいある。
これは、大学でも人気が出そうな予感。
「綺麗な奥方ですね! 人妻なのが勿体ない」
は?
カインは急に馴れ馴れしく私の手をぎゅっと握って握手をした。
「伊織も真琴も同い年なら、仲良くしましょう」
満面な笑顔でカイン。
あれ? 一瞬で雰囲気が違うような……?
私がポカンとしていると、握手をしている手は、カインはアルバルトに、そして私は伊織によって引き剥がされた。
「カイン殿。気安く妻に触らないでいただけますか」
「カインでいいよ、伊織。そんな怒らないで」
カインはアハハと爽やかに笑う。
何だろう、見た目と中身のギャップがある人なのだろうか。
伊織のカインへの冷たい視線に波乱の予感がした。
その腰の折方や所作がなんとも綺麗だ。
「お初にお目にかかります。私、カイン・フィバルト・オーリングス様の従者をしておりますアルバルトと申します。よろしくお願いいたします」
落ち着いた、しかしハキハキとした声でアルバルトは挨拶をする。
多少の訛りはあるが、綺麗な日本語だ。
そそて、斜め後ろに立っていた淡いブラウンの髪の彼を振り替える。
「こちらが、この度お世話になりますカイン様でございます」
アルバルトに紹介されたカインはニッコリと微笑んだ。笑顔が可愛い。
「雨宮の若君とその奥方ですね。カインです。しばらくの間お世話になります。よろしく」
カインの日本語はとても綺麗だった。
アルバルトのように、言葉の端々に訛りは感じられない。
そうとう勉強したのだろうか?
カインの挨拶に、隣にいた伊織はビジネス用の笑顔で一歩前に出て握手をした。
「初めまして。雨宮伊織です。こっちは妻の真琴。私たちと同じ大学に行くそうですね。何か困ったことがあったら何でも相談してください」
「ありがとうございます」
カインは握手に応えて微笑みを返す。
そしてチラッとこちらに視線をよこした。
「よろしくお願いします」
「妻の真琴です。よろしくお願いいたします」
ハッとして慌てて挨拶をする。
このカイン王子につい見とれてしまった。
よくよく見ると、結構美形なのだ。身長も、背の高い伊織と同じくらいある。
これは、大学でも人気が出そうな予感。
「綺麗な奥方ですね! 人妻なのが勿体ない」
は?
カインは急に馴れ馴れしく私の手をぎゅっと握って握手をした。
「伊織も真琴も同い年なら、仲良くしましょう」
満面な笑顔でカイン。
あれ? 一瞬で雰囲気が違うような……?
私がポカンとしていると、握手をしている手は、カインはアルバルトに、そして私は伊織によって引き剥がされた。
「カイン殿。気安く妻に触らないでいただけますか」
「カインでいいよ、伊織。そんな怒らないで」
カインはアハハと爽やかに笑う。
何だろう、見た目と中身のギャップがある人なのだろうか。
伊織のカインへの冷たい視線に波乱の予感がした。