君の花嫁~大学生編~
恐れでした
伊織は幼い頃に実の母を亡くしている。
甘えたくて、母が恋しい年頃だった。
anemiaの後継者として厳しく育てられ、父にも甘えることなく、孤独に育った伊織は、年上で幼馴染みの春佳に初恋を抱く。
しかし。
春佳が選んだのは、年の近い伊織ではなく、伊織の父だった。
実の母を亡くし、初恋の女性を父に奪われ、感情のないまま敷かれたレールを歩く。
そんなとき、お見合いをした女の子と出会う。
それが私、真琴だった。
相思相愛になってから、伊織は私をとてもとても大切にしてくれた。
心から愛してくれた。
それと同時に、恐れている。
私が居なくなることを。