俺様主人の拾われペット




…っ

……、いっ




(ん…?何か声がするような…。)




…、いっ



……おいっ





「おいっ!!」

「ひぇ?!」





突然耳に大声が聞こえて
ビクッとして飛び起きる。


------へ。



そしてハッと目の前を見ると






「ひ、ひひひ仁美さ、#$\&@%…?!」





なぜか仁美さんのドアップ!

え、何で?!何で目の前に仁美さんが?!
と混乱しながら思わず反射的にまたベッドに倒れる。



よくよく周りを見てみると
両サイドには仁美さんの腕。

ベッドに倒れても私の上には仁美さんの顔。

見下ろされるような形になっていて
混乱が冷めない。




…こ、これって…

馬乗り ってやつですか。





「あ、ああああの…?!」

「ったく…寝るなら風呂入ってからにしろアホ!」

「-------へ。」





仁美さんにそう言われて
ぐるぐると頭を巡らせる…


はっ!!そうだ、私あのまま寝てしまって…?!

お風呂に入らず寝ようとしていたなんて
どんだけ疲れてたんだよ私…。





よくよく見たら
仁美さんの髪の毛は濡れていて
肩にタオルがかけられている。

あ、そっか仁美さんお風呂入って私のところにお知らせに…


………って





「-------ひ、仁美さん!!服!!服服!!」

「あ?…あぁ、忘れてた。」






なんとまたしても仁美さんの半裸!!

わああぁやめてください早く退いて!!





「ったく、これだから不慣れは困る…。」

「慣れてる方がおかしいんですよ!!」

「こんくらい普通だろうが。」





と言いながら私の上から退いて
持ってきていた上着を着る仁美さん。

来る途中で着ようとしていたらしいが
部屋に入ってみると私が寝ていたので
着るのを忘れて起こしていたんだとか。

…いや、着てからでも遅くないのでは…。




「ほら、早く風呂入ってこい。」

「はい…って、私場所知らないです。」

「あ…そうだったな。」




準備して行くぞ、と言われて
私は急いで鞄から服を用意する。

仁美さんは気を遣ってか、
下着を見ないようにドアの方を向いていてくれた。

準備終わりました、と言うと
仁美さんはドアを開けて廊下に出た。

私もそれを追う。






「ここな。」

「…え、これってお風呂というより…。」






お、温泉では ないですか。





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